ISBN:4478420408 単行本 三本木 亮 ダイヤモンド社 2001/05/18 ¥1,680 機械メーカーの工場長である主人公のアレックス・ロゴを中心に繰り広げられる工場の業務改善プロセスを主題にした小説。通常、アメリカでベストセラーとなったビジネス書は、すぐに日本語に翻訳されるものだが、本書は世界で250万部売れたにもかかわらず、17年もの間日本での出版だけが認められなかった。いわば「幻の名著」である


The moment I finished reading it, I really ...
Actually had question marks flying all around my brain.

昔、きちんと綺麗に終わっていたのに、改訂加筆のため、おまけのようなストーリーが付加されていて、せっかくの感動が台無しだった。
(おかげで、続編を読みたい気持ちが倍増もしたが)

はっきり言って面白い。
著者は、物理学者(研究者?)だったが、あるとき工場の改善活動のアドバイザをすることになった。そのときに得た知見を元に、この小説を書いたらしい。
はっきり言って、スタッフの視点レベルではなく、あくまで中堅のアドミニストレーターつまり管理者向けである。とはいえ、まともに「仕事」というものに向き合ったことがあれば、若い人が読んでも十分面白いと思われる(このときの若いは、20代を指す)。

堅いビジネス書では決してない。
昔「タッカー」というダメダメ自動車工場が、日本企業に買収され、なんとか融合して立ち直っていくというビジネス御伽噺の映画があったが、ノリはそれと余り変わらない。異なっているのは、もっと現実的で、なおかつストーリーとしても十分読み応えがある点だ。

この本は、著者の意向で日本語に翻訳されることが禁じられた。
細部の改善、技術力に秀でている日本人に、全体の最適化手法を伝えれば、米国はとても太刀打ちできないだろうと考えてのことであったらしい。
そう、この本は「全体の最適化」を考慮している。

私は、良い例が思い浮かばないが、この本文中にはとても面白いたとえ話が語られている。子供の集団を、ある時間までにキャンプ地まで歩いて誘導したい。ある程度足の速い子を置き、中間に足の遅い子を置いた主人公は、どうしてもその隊列が長く延び、そしてなかなか歩調が早まらないことに気づく。そして、その経験が、なかなか納期どおりに製品を出荷できない工場の問題にヒントを与えてくれることに気づく。

日本の生産現場が、今どうであるか私は知らない。
しかし、私が勤めているサービスの現場では、全体における最適化を考慮した業務のプロセスを考えている人はいないように感じる。
おかげで、常に残業と非効率に直面し、苦笑いしながらお金にならない時間を勤め先と、かろうじてここは救いだが、勤め先の人間関係に費やしている(そして、家族の時間は奪われる)。

私は、年をとっている。
若いといわれるが、人生の半分を折り返したと考えている(社会的に引退する地点をゴールと考えて)。
その半分で、これまでに達成できなかったような栄光を達成できるとは考えられない。

頼むから
雇い主や上司たちの感情的感覚から、無駄に仕事を増やしてしまうのを辞めてほしい。
必要なだけ作り、そのために働き、適度な金を得て
そのお金でまずまず幸せな時間を家族と過ごせるように
配慮してほしい(昔のほうがそれはできていた?)

頼むから
全体考えて業務を組み立てて
無駄な在庫を積み上げたり
賞賛のない勝負のために全力を尽くしたり
目先の利益でそのためにさらに先の利益を圧迫するような
そんな仕事を増やすのは止めてほしい

・・・それも難しいけど。

ハナカゼ

2004年11月3日 form books
本当に一人きりにならなければ
孤独なんてわからない
孤独を実感したところで
暴力的にその隙間を埋めようとする行為は
一体どんな理想的な関係と言えるのだろう

最適化された存在
多数のcomfortのすり合わせ
欠点のまったくない良品
基準の真っ只中に自分が存在するということ

「誰か」と「普通の人」と「常識」
あなたと話し合った瞬間に喪失される
あなたは誰かじゃない
あなたは普通の人じゃない
あなたは常識で考えられる人じゃない

私にとって唯一の人

「誰か」と「普通の人」と「常識」
もし私が本当に一人きりならば
私以外の人間はみんなそうなるのだろう
そして
その存在はすべて私のための敵となる

一人で街を歩くのは
辛いことじゃない
あふれる魅力的なモノに囲まれ
飽きることなく時めいていられる
日と鼓動が落ちさえしなければ
ただそこをずっと巡っているだけで
きっと幸せに感じるだろう

だけれども
日が落ちて夜が寒くなるとき
お腹が減って何かを食べるとき
ただモノに囲まれているだけじゃ
へとへとになってしまうから

私は誰かにここにいて欲しくて
私はあなたにここにいて欲しくて
こっそりとその喧騒から
薄汚れた繭の中へ逃げ込んでいきます

ただ
風邪をひいたんです
朦朧とする意識
布団の中にいるはずなのに
体が震えて
寒さに凍えて
吐き気の中で夢うつつでした

ただ
風邪をひいたんです
夢の街を彷徨って
何一つ口にせずに
白昼夢を
ずっと
繰り広げていました

老いた身体を震わせながら
きっと明日に死ぬこともできるなと
焦点の合わない視線のかなたには
テーブルからこぼれた食べ物のクズに
群がる虫たちが蠢いている光景

この国は老いている
想像もしないほど老いている
きっと誰かが見守らなければ
私のように虫に食い尽くされてしまうのでしょう  

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索