あっけないアメリカの凋落からそれは始まった
圧倒的な軍事力と政治力
そして経済的影響力と
力を恣(ほしいまま)にしていた強大国は
意外にも内乱から分裂を起こしてしまった

クーデターや市民革命といった類の常識的な内乱ではなかった
どうでもいいようないざこざが
自然災害や不景気のような苦境が続いたあと膨れ上がり
同じ国民同士が争い始めたのだった

富んで繁栄して強さを誇示していた国は
押し込めてきた歪によって
まるでダムのほんの小さな決壊が
あっというまに大きな崩壊を導くように
がらがらと崩れていったのだった

そしてヨーロッパが
再びローマ帝国の復活を宣言するように
相対的に力を示し始めた

中世でもみられなかった規模の
ロシア地方の一部さえ巻き込んだEUという名の
帝国がその牙を剥きはじめた

アレクサンダーさえ成し遂げなかった
史上最大の勢力圏を誇る
”経済統合”という名のもと束ねられた
帝国の隆盛が
いま
始まろうとしている

アジアの小国家にすぎない
日本は
カルタゴが迎えるような末期を迎えるのであろうか
それとも
その伝統的な新しい勢力と渡り合い
この小さな地球の上でその名をまだ残していくことができるのか
という決断をくだす瞬間を
ひっそりと迎えつつあった

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