「ダウンロードコンテンツ、10年たっても買い続ける?」という記事
2005年7月18日 時事ニュースhttp://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0507/15/news114.html
↑は、割とマイナーな記事である。
が、情報インフラの情報を知りたい私にとって、興味深い記事であるので、読んでみる。
批判的に。
(以下、本文引用するのは問題があるかもしれないので見出しだけ引用)
●ダウンロードコンテンツを買っているのは誰か
10年後、ダウンロードを利用している10代後半から20代前半のメインユーザーが引き続き利用しているかという問いに、高橋氏はYESと断言している。
批判的に記事を読むのなら、断言の箇所をまず疑う。
ところで、ダウンロードコンテンツのほとんどが、音楽とゲームである。
ゲームに関しては、少年のころからゲームを始めた大人が引き続きゲームをしているという社会的に散見される現象から考えれば妥当であろう。
ところで、音楽に関しては疑問符がつく。この10年間で、商業的音楽シーンは著しく変化している。今、もっとも音楽業界がターゲットにしている年齢層は、おそらく先ほど提示したダウンロードコンテンツのメインユーザーと合致している。つまり、音楽業界が興してきた青少年の市場にうまく乗っかることが出来たから、ダウンロードコンテンツも彼らに利用されたのである。
もし上記の仮定が正しいのなら、今後、音楽業界が、上昇していく現在のメインユーザー層を継続的にキャッチしていく戦略をとらない限り、10年後のメインユーザーはダウンロードコンテンツに関して、音楽関係から離れていく可能性が高いだろう。
ゲーム関係は、ダウンロードユーザーの増加が見込まれるが、音楽関係は、今後のダウンロードメディアの多様化などの要素を除外して考えれば、市場規模として縮小する可能性が高いと推論するのである。
そう考えると、ユーザー層の拡大という方針は、確かに重要な課題である。
ここで、このチャプターのまとめとして、”コンテンツが多様になっていけば、ユーザー層も拡大できるはず、と見る。”と提示されている。
上記にも少し補足して述べたセンテンスだが、”ダウンロードメディアの多様化”により、音楽やゲーム以外のコンテンツが発生してくると、それらを買うメインユーザー層が異なる可能性もあるから、結果、ユーザー層が拡大するよねという話である。
この後のチャプターに、電子書籍による対応が述べられている。しかし、ダウンロードコンテンツは、メディアやコンテンツの多様化によって、利用ユーザーが直線的に増加するものなのだろうか?
はっきり言って、ダウンロードコンテンツのユーザビリティの視点が欠落しているように思える。今、ダウンロードコンテンツを利用しようとすると、主に以下の流れになる。
1.決済手段の登録が必要になる(クレジットカード経由など様々な情報を携帯・PCで登録する必要がある)
2.ダウンロードコンテンツのHPなどから会員登録する必要がある
3.ダウンロードする内容を見つけてダウンロードのためにいくつかボタンを押す必要がある
4.ダウンロードしたコンテンツを格納した場所を探し出し、実行する必要がある
5.時として、コンテンツ再生のための別コンテンツが必要である
6.時として、そのコンテンツを再生した後、アプリ環境を手動でセットアップする必要がある
例えば、メールを送るのなら(メアドを取得するといった点は別として)
1.宛名(メアド)を選ぶ
2.文章を書く
3.送信ボタンを送る(見直すなどの作業は除く)
明らかに、ダウンロードコンテンツを使用するのは手間がかかるのである。
特定のHPにいくつかのDLコンテンツがあり、そこでの手順を繰り返し行う段階になれば、結果的にはメールを利用するのと大差はないが、そこまでの敷居の高さは、メール利用の数段上をいくことになると考えられる。
よって、コンテンツの多様化の前に、もっとDLが気軽に使える環境を構築するのが先ではないかと考えるのです。
とはいえ、AUでは割とDLコンテンツ課金のプロトコルが整理されているような気もしますが。
●コンテンツ流通がうまくいくためには垂直統合モデルが必須?
●携帯で成功したビジネスをPCに持ち込む
携帯のコンテンツ流通での成功例をPCに持ち込む構想を練っていますが、直観的にそれが携帯で成功した経緯を辿って成功するとは考えられない。
1.携帯ユーザーとPCユーザーは様々な面において特性が異なる
2.PCでダウンロードコンテンツが成功していないのは、フリーで流通している質の高いもの(音楽でもゲームでも)があるからだ
3.日本って、ダウンロードコンテンツを十分に楽しめるPC環境にあるの? ダウンロードコンテンツじゃなくても安いDVDもあるし・・・因みにアメリカでは、Yahoo Launchで、フリーでミュージックビデオを公開したりしています(広告収入でまかなっているらしい)。コストエフェクティブネスを考えると、著作権に執拗にこだわって歌詞すらネット上に載せることが禁止されている日本で、安価に安定して様々な著作権だとか発生するコンテンツを提供するのは難しいのでは?
などなど考えるのです。
●5年で放送と通信は融合する
GyaOとか見ていると、それはそうなるかなと思います。
おおむね、賛成ですね。随所に批判したくなるところもありますが・・・。
しかし、もしかしたら放送と通信の融合以上のものが起きてくるかなとも考えます。
もっと、画期的な演算能力の向上と、情報インフラにおける情報送信能力の増大が起きると、これまで何時間とかかっていた動画情報のやりとりが瞬時に行えるようになるかもしれません。
そうすると、デジタル化された映像・画像・音楽・文字情報、あるいはアプリケーションそのものが瞬時に売買されるようになるわけです。映像を流してどうこうするよりも、いかにより良いコンテンツを大量生産してフレッシュなときに大量に売りさばくかといった、電子情報百貨店のようなストアができるでしょうし、それは、ネットが普及し始めたころから提唱されてきた「ビデオ・オン・デマンド」の実現になると考えます。
そうなると、今現在我々が描いている放送局からの放映、といった形のコンテンツが果たして顧客のニーズに合致して利益を生み出すコンテンツ提供形態にはならないのではないかと考えるのです。
↑は、割とマイナーな記事である。
が、情報インフラの情報を知りたい私にとって、興味深い記事であるので、読んでみる。
批判的に。
(以下、本文引用するのは問題があるかもしれないので見出しだけ引用)
●ダウンロードコンテンツを買っているのは誰か
10年後、ダウンロードを利用している10代後半から20代前半のメインユーザーが引き続き利用しているかという問いに、高橋氏はYESと断言している。
批判的に記事を読むのなら、断言の箇所をまず疑う。
ところで、ダウンロードコンテンツのほとんどが、音楽とゲームである。
ゲームに関しては、少年のころからゲームを始めた大人が引き続きゲームをしているという社会的に散見される現象から考えれば妥当であろう。
ところで、音楽に関しては疑問符がつく。この10年間で、商業的音楽シーンは著しく変化している。今、もっとも音楽業界がターゲットにしている年齢層は、おそらく先ほど提示したダウンロードコンテンツのメインユーザーと合致している。つまり、音楽業界が興してきた青少年の市場にうまく乗っかることが出来たから、ダウンロードコンテンツも彼らに利用されたのである。
もし上記の仮定が正しいのなら、今後、音楽業界が、上昇していく現在のメインユーザー層を継続的にキャッチしていく戦略をとらない限り、10年後のメインユーザーはダウンロードコンテンツに関して、音楽関係から離れていく可能性が高いだろう。
ゲーム関係は、ダウンロードユーザーの増加が見込まれるが、音楽関係は、今後のダウンロードメディアの多様化などの要素を除外して考えれば、市場規模として縮小する可能性が高いと推論するのである。
そう考えると、ユーザー層の拡大という方針は、確かに重要な課題である。
ここで、このチャプターのまとめとして、”コンテンツが多様になっていけば、ユーザー層も拡大できるはず、と見る。”と提示されている。
上記にも少し補足して述べたセンテンスだが、”ダウンロードメディアの多様化”により、音楽やゲーム以外のコンテンツが発生してくると、それらを買うメインユーザー層が異なる可能性もあるから、結果、ユーザー層が拡大するよねという話である。
この後のチャプターに、電子書籍による対応が述べられている。しかし、ダウンロードコンテンツは、メディアやコンテンツの多様化によって、利用ユーザーが直線的に増加するものなのだろうか?
はっきり言って、ダウンロードコンテンツのユーザビリティの視点が欠落しているように思える。今、ダウンロードコンテンツを利用しようとすると、主に以下の流れになる。
1.決済手段の登録が必要になる(クレジットカード経由など様々な情報を携帯・PCで登録する必要がある)
2.ダウンロードコンテンツのHPなどから会員登録する必要がある
3.ダウンロードする内容を見つけてダウンロードのためにいくつかボタンを押す必要がある
4.ダウンロードしたコンテンツを格納した場所を探し出し、実行する必要がある
5.時として、コンテンツ再生のための別コンテンツが必要である
6.時として、そのコンテンツを再生した後、アプリ環境を手動でセットアップする必要がある
例えば、メールを送るのなら(メアドを取得するといった点は別として)
1.宛名(メアド)を選ぶ
2.文章を書く
3.送信ボタンを送る(見直すなどの作業は除く)
明らかに、ダウンロードコンテンツを使用するのは手間がかかるのである。
特定のHPにいくつかのDLコンテンツがあり、そこでの手順を繰り返し行う段階になれば、結果的にはメールを利用するのと大差はないが、そこまでの敷居の高さは、メール利用の数段上をいくことになると考えられる。
よって、コンテンツの多様化の前に、もっとDLが気軽に使える環境を構築するのが先ではないかと考えるのです。
とはいえ、AUでは割とDLコンテンツ課金のプロトコルが整理されているような気もしますが。
●コンテンツ流通がうまくいくためには垂直統合モデルが必須?
●携帯で成功したビジネスをPCに持ち込む
携帯のコンテンツ流通での成功例をPCに持ち込む構想を練っていますが、直観的にそれが携帯で成功した経緯を辿って成功するとは考えられない。
1.携帯ユーザーとPCユーザーは様々な面において特性が異なる
2.PCでダウンロードコンテンツが成功していないのは、フリーで流通している質の高いもの(音楽でもゲームでも)があるからだ
3.日本って、ダウンロードコンテンツを十分に楽しめるPC環境にあるの? ダウンロードコンテンツじゃなくても安いDVDもあるし・・・因みにアメリカでは、Yahoo Launchで、フリーでミュージックビデオを公開したりしています(広告収入でまかなっているらしい)。コストエフェクティブネスを考えると、著作権に執拗にこだわって歌詞すらネット上に載せることが禁止されている日本で、安価に安定して様々な著作権だとか発生するコンテンツを提供するのは難しいのでは?
などなど考えるのです。
●5年で放送と通信は融合する
GyaOとか見ていると、それはそうなるかなと思います。
おおむね、賛成ですね。随所に批判したくなるところもありますが・・・。
しかし、もしかしたら放送と通信の融合以上のものが起きてくるかなとも考えます。
もっと、画期的な演算能力の向上と、情報インフラにおける情報送信能力の増大が起きると、これまで何時間とかかっていた動画情報のやりとりが瞬時に行えるようになるかもしれません。
そうすると、デジタル化された映像・画像・音楽・文字情報、あるいはアプリケーションそのものが瞬時に売買されるようになるわけです。映像を流してどうこうするよりも、いかにより良いコンテンツを大量生産してフレッシュなときに大量に売りさばくかといった、電子情報百貨店のようなストアができるでしょうし、それは、ネットが普及し始めたころから提唱されてきた「ビデオ・オン・デマンド」の実現になると考えます。
そうなると、今現在我々が描いている放送局からの放映、といった形のコンテンツが果たして顧客のニーズに合致して利益を生み出すコンテンツ提供形態にはならないのではないかと考えるのです。
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