オーバーランのニュースが続く。
「オーバーランって、最近多いよね」

A.オーバーラン自体が事実増加している
B.オーバーランの報道が増えているが
 オーバーラン件数自体はあまり変化がない

 B-1.オーバーラン件数は徐々に増えている(年度ベースで)
 B-2.オーバーラン件数はある一定の件数で横ばいである
 B-3.オーバーラン件数はある特定の時期に多発するような
   特徴を持っている

仮説はいくらでも成り立つが、もっとも忌避すべきなのは

オーバーランの報道をよく目にする
 ⇒「最近オーバーラン多いよね」

論理の飛躍はおきていないように見えるが、十分おきている。

同じようなことは、医療ミスに関しても同様である。
何か、インパクトのあるセンセーショナルな事件が起きる。
そのような事件を引き起こすマイナートラブルは頻発していた。
マスコミがこぞって報道をする。
大衆が望む(言葉は悪いが”喜ぶ”)から報道する
似たような事件をあら捜しして報道する
医療ミス・事故の”報道”件数が増える
 ⇒ 医療ミスが。報道が増加した時期に増えたように
   考える人が増える 
 ⇒ 医療に関して注目が集まる
 ⇒ メリット:対策が講じられる
  デメリット:医療従事から離脱する人が増える
        無駄な対策コストがかかる
        ※対策が姑息/見当違いのものである場合
        医療従事者に偏見が課せられる

「あの事件がなかったら、今のように
 医療に関して安全の議論がなされることはなかったはず。」
結果論としては妥当である。
しかし、これは、こういうことを言っている。

「医療には安全に関する問題が山積していた。
 以前から、危ないことはいっぱいあった。
 でも、大きな事件がなければ、それらは検討・改善される
 ことは、なかったんだ。」

そう。大きな事件、事故が起きない限り、対策は講じられない。
これを、古の偉人はいみじくもこう語った。
 「泥棒を見て、縄を編む」

問題の本質は、
「重大な事故を生むような、マイナーなトラブルがあり
 なんとなくでも関係者がヤバいよねと感じたら
 その問題を解決する対策を普段から講じておく必要がある」

そう。
難しいことなんだ。たぶん、そのための技術というか
コツが必要なんだろう。

でも、
相変わらず年金問題の状況は変わらない。
その根本原因の財政赤字の問題は変わらない。
いろんな、マズイ状況はあちこちに見えている。
「いつかは、本当にヤバくなるよね」
案外、誰もがそう感じているのだろう。

けど、今はまだ大事故が起こっていない。
日々はなんとなく過ごせている。
対策を講じて、うまくいったとしても、
事故が起きなければそのツケ(代償)はわからない。
だから、事前対策は結局講じられない。

いや、講じてある部分だってある。
不正がばれないようしている対策だとか。
倒産もしそうもない企業がいざというときのために
社内留保をしこたま溜め込んでいるとか。

講じやすいところは講じている。
自分に近いところの不利益は可能な限り。
それで、他の対策が講じられていなくても。
結局。

・・・。

オーバーラン事件の報道が増やして
人々に安全性をどうやって確保するのか
啓発するのも良いけれど

難しいことだけれど
事前に「この過密スケジュールって危険ではないですか」
とかいう報道が出来ていれば
きっとマスメディアは「良質な仕事」をしたといえるのだろう

えっと・・・
それにしても、警告はあちこちに出始めている
私を含めた第二の団塊の世代たちは
いったいどれくらいのスキルを
親の世代から継承して行っているのだろうか
なんだか
親の世代は案外そういうことを教えてくれなかったような
そんな気がする
いや教えてくれていたのだけれど
学校の勉強を先にしろと言われ続けていたから
教わりきらなかったのかもしれない・・・

これからメンテナンス不足の時代がきっと来る・・・

ごみは誰かが捨ててくれる
壊れたら買いなおせばいい
使えなくなったら捨てればいい
誰かがやってくれる
分からなくても大丈夫
ただ使っていればいい
ただ言われているようにやればいい
誰もがやっている通りにやっていればいい

20年後
果たしてわれわれが日々使っていた
原発や
ATM基幹システムや
鉄道のシステムなどなど
壊れて簡単に交換できるのだろうか
誰かがやってくれるのだろうか
ほっといても大丈夫なのだろうか

誰かがやらなくちゃならないから
やってくれるのだろうか・・・

「なー、あの分けのわからない機械、
 なんか変な音がしているけど・・・
 ま、いいかー。よく分からないけど、
 壊れたときに考えようか。
 たぶん大丈夫だろうよ。」
「そうそう。
 それより、今は、ノルマのために
 こっちの仕事をさっさと片付けないとね。」

願わくば
同じような重大事故がこれから20年にわたって
実質件数として増加していかないであることを
祈るばかりでございます。

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