ブラックジャックによろしく (10 精神科編 2 (10))
2004年11月1日 読書
この漫画は好きです。
臨床現場って、こんな漫画どおりではないですが
現場でおきている潜在的な社会問題を抽出すると
このようなストーリーで描けるのかなと思ったりします。
主人公の斉藤先生のようなドクターがいて
実際にストーリー上のような行動をとると
臨床現場は非常に混乱するでしょう。
またここに登場する患者さんたちも
現実にはいらっしゃらないような態度・対応・行動を
とっていると思います
(しかし、時としてこの漫画の中のような患者さんがいて
しっかり社会問題としての臨床の問題を提起されるケースもあります)
しかし、繰り返しですが
ここで描かれている問題は、抽象的には現実の医療問題です。
設定が大学病院という特殊性があり、一般的な病院には
そのまま適応できないような問題であることも否めません。
また、テーマがマスコミなどで流布されている類で
もっと根本的に医療が抱えている、雑多な問題のほうが
より現実的な問題なのかもしれませんが
それでもなお、重要な問題のひとつであると考えます。
>NICU編
割といいところをついているというDrの話を聞いたことがあります。
オペを強行する場面などはドラマ(フィクション)だと思います。
晩婚化、出産の人工的管理などが日本では進んでいますから
それに伴い、トリソミートリプレットに関する問題は
今後多く発生すると(私は)考えています。
もし、現在30代前後の結婚していない(しようとしない)団塊の世代が子供を持ち始めるとしたら、
社会的問題として浮上してくる可能性があると考えています。
ここに、生前診断などの問題も絡んでくるでしょう。
さらに、そこに中絶の問題も絡んでくるのかも知れません。
少子化が今以上に進めば、皮肉なことですが、それほど問題にならないのかも知れません(そのとき、問題は老年期に対する医療保障費用の拠出問題が極めて深刻になり、そこに焦点がおかれるでしょうから)。
>がん編
告知。承認が進まない抗がん剤。治験。ホスピス。
ストーリー展開は、おそらく読者を最後までひきつけるためにある程度カタルシスのあるものにしていますが
私の知っているガンとの闘病生活は、もっと凄惨を極めているものが多いですから(もちろん、ストーリー以上に係わった家族・スタッフがカタルシスを感じた闘病のいきさつも知っています)
少しだけ、物足りない感じもしますが
(特にガンにまつわる)医療現場に触れたことのない方々が読む分には十分なのかな・・・とも感じます。
私がガンになったら、家族は告知を望まないでしょう。
しかし、いろんな例を知っているだけに、何がなされるかによって、大体の自分の状況はわかるでしょう。
そのとき、私は治療を望まないでしょう(ただし、発生場所と、それがオペ適応だと言われたら考えますが)。
>精神科編
今進行中ですね。
私が実習で精神科病棟に行ったとき
担当の先生も「今、精神科は患者さんをできるだけ囲い込もうとしているのよ」といっていたのを覚えています
いえ
囲い込もうとしているのは病院だけではないとも感じましたが。
このストーリーを読んでいると
「差別」そのものの性質を考えてしまいます。
「差別をなくそうとする活動」そのものが
「差別を助長する」というパラドックス。
極めて哲学的な問題だと思います。
地球環境を訴える行政は、実はもっとも多くのペーパーを産出している
ペットボトルリサイクル処理をする業者が、儲けを出すためにわざわざ大型トラックで何百キロも先の処理場に噴煙を撒きながら運搬する
電気問題を解決するための核エネルギー利用には多大なるリスクが伴う
問題解決への思考そのものをもっと掘り下げて理解しなければいけないのかなと考えます
考えをつきつめていけばどこかでギブアップしたくなり
「所詮、人間は排出したり、消費するからだめなんだ」
と諦観論に跳躍してしまうのですが
おそらく、性善説と性悪説の中間にある地点に落ち着かせる
知恵と工夫、寛容さと厳粛さが人間にはあると信じたいのです。
さて、話は戻って、ストーリーは今後どんな展開を見せるのでしょうか
出来れば、何かしら問題解決の糸口となるような示唆を与えてくれるエンディングであれと祈りながら
読み進めていくとしましょう・・・
臨床現場って、こんな漫画どおりではないですが
現場でおきている潜在的な社会問題を抽出すると
このようなストーリーで描けるのかなと思ったりします。
主人公の斉藤先生のようなドクターがいて
実際にストーリー上のような行動をとると
臨床現場は非常に混乱するでしょう。
またここに登場する患者さんたちも
現実にはいらっしゃらないような態度・対応・行動を
とっていると思います
(しかし、時としてこの漫画の中のような患者さんがいて
しっかり社会問題としての臨床の問題を提起されるケースもあります)
しかし、繰り返しですが
ここで描かれている問題は、抽象的には現実の医療問題です。
設定が大学病院という特殊性があり、一般的な病院には
そのまま適応できないような問題であることも否めません。
また、テーマがマスコミなどで流布されている類で
もっと根本的に医療が抱えている、雑多な問題のほうが
より現実的な問題なのかもしれませんが
それでもなお、重要な問題のひとつであると考えます。
>NICU編
割といいところをついているというDrの話を聞いたことがあります。
オペを強行する場面などはドラマ(フィクション)だと思います。
晩婚化、出産の人工的管理などが日本では進んでいますから
それに伴い、トリソミートリプレットに関する問題は
今後多く発生すると(私は)考えています。
もし、現在30代前後の結婚していない(しようとしない)団塊の世代が子供を持ち始めるとしたら、
社会的問題として浮上してくる可能性があると考えています。
ここに、生前診断などの問題も絡んでくるでしょう。
さらに、そこに中絶の問題も絡んでくるのかも知れません。
少子化が今以上に進めば、皮肉なことですが、それほど問題にならないのかも知れません(そのとき、問題は老年期に対する医療保障費用の拠出問題が極めて深刻になり、そこに焦点がおかれるでしょうから)。
>がん編
告知。承認が進まない抗がん剤。治験。ホスピス。
ストーリー展開は、おそらく読者を最後までひきつけるためにある程度カタルシスのあるものにしていますが
私の知っているガンとの闘病生活は、もっと凄惨を極めているものが多いですから(もちろん、ストーリー以上に係わった家族・スタッフがカタルシスを感じた闘病のいきさつも知っています)
少しだけ、物足りない感じもしますが
(特にガンにまつわる)医療現場に触れたことのない方々が読む分には十分なのかな・・・とも感じます。
私がガンになったら、家族は告知を望まないでしょう。
しかし、いろんな例を知っているだけに、何がなされるかによって、大体の自分の状況はわかるでしょう。
そのとき、私は治療を望まないでしょう(ただし、発生場所と、それがオペ適応だと言われたら考えますが)。
>精神科編
今進行中ですね。
私が実習で精神科病棟に行ったとき
担当の先生も「今、精神科は患者さんをできるだけ囲い込もうとしているのよ」といっていたのを覚えています
いえ
囲い込もうとしているのは病院だけではないとも感じましたが。
このストーリーを読んでいると
「差別」そのものの性質を考えてしまいます。
「差別をなくそうとする活動」そのものが
「差別を助長する」というパラドックス。
極めて哲学的な問題だと思います。
地球環境を訴える行政は、実はもっとも多くのペーパーを産出している
ペットボトルリサイクル処理をする業者が、儲けを出すためにわざわざ大型トラックで何百キロも先の処理場に噴煙を撒きながら運搬する
電気問題を解決するための核エネルギー利用には多大なるリスクが伴う
問題解決への思考そのものをもっと掘り下げて理解しなければいけないのかなと考えます
考えをつきつめていけばどこかでギブアップしたくなり
「所詮、人間は排出したり、消費するからだめなんだ」
と諦観論に跳躍してしまうのですが
おそらく、性善説と性悪説の中間にある地点に落ち着かせる
知恵と工夫、寛容さと厳粛さが人間にはあると信じたいのです。
さて、話は戻って、ストーリーは今後どんな展開を見せるのでしょうか
出来れば、何かしら問題解決の糸口となるような示唆を与えてくれるエンディングであれと祈りながら
読み進めていくとしましょう・・・
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