−私は運命など信じるものではなかった

−私はただ幼き頃からの両親の言いつけに従っていた

−私はただ私のために生きてきた

−私はただあるべき自分として生きてゆきたい

−私はただ今ある現実にしたがって生きてゆきたい

−神よ

「全員、上陸後、ベースキャンプ設営準備に入れ!
 邪魔をする原住民に対しては
 帝王アンドンの名の下、どんなことをしても排除してもよい!
 これは命令だ!
 ひるむな!
 ためらうな!
 省みるな!」

−私がこの世界の創造主、あなたに奉仕するためには

−神よ!

−私はどうしても血を流さねばならぬ!

−神よ!

−この長き世の流れの中で

−神よ!

−これが禍根になるとしてもわれわれが契機とならねば

−神よ!

−より強い愛は世界の絆となりえない・・・

「オーウェン提督!
 原住民の抵抗は・・・」
「ええーい! すべてが己たちのものとの驕りか!
 構わん。 撃て、撃て・・・」
「提督! 彼らは丸腰も同然!
 あまりにもむごすぎます!」
「構わん! 撃て、撃て・・・」

−神よ! 心から血が流れている・・・

−神よ! しかし私はそのことを3日で忘れるだろう・・・

−女神よ! 許したまえ! ただ私はあなたの栄光のためにここで指揮を執る・・・

−女神よ! 許したまえ! ただ私はあなたの栄光を信じて血で血を洗おうとしている・・・

「女神よ・・・
 もし私があなたの栄光に
 本当に仕えているのだとしたら・・・
 どうかこの罪への
 購いをさせたまえ・・・
 この魂があなたに近づきますように・・・
 せめて
 魂だけは
 地獄から逃れられるよう
 もっとも重い罰を与えたまえ・・・」

目を閉じて
押し殺した声でつぶやく

そして彼は目をきっと見開き
手に武器を取ると
自ら最前線へ向けて
駆けて行った

「わが名はオーウェン!
 帝王アンドンと
 女神ハイウェイラの名の下
 この地に我等の礎をなさん!」

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