ソクラテス

2003年12月1日
ソクラテスは妻に悩まされていた
彼の頭にめぐる難題の数々
それは日常から政治にわたるまで
多岐に及んでおり
彼の思索はとどまることを知らなかった

それでも妻は日常の家事手伝いなど
彼にとっては些細なことを
いつも幾たびも何度でも
おしつけてこようとするのだった

「ああ、この深遠な真理の探究の重要性を
 なんじはわかっておらん」

「あんたにとっては
 そりゃとっても大切なことなんだろうね
 でも私にとっちゃ
 今夜食べるものがないってことのほうが
 何十倍も重要なんだから
 とっとと行って安い野菜か何か
 買ってきて頂戴!」

時代は流れ哲学の思想も流れていく
やがて妻の言葉は重要な真理であると
実存主義者
功利主義者たちが証明していくのだった

*真理とは
*それぞれ個別の個人にとって
*もっとも真理であると思われるものこそが
*真理である

ソクラテスの妻にとって
真理とは
その場面においてもっとも重要と認識された
その日の食事を調達するということである

やがて
真理の探究は
個々の認識論へと
心理学的側面からつながっていく

そう
結局は
人間なんて
今晩食べる食事がどうだとか
そういう些細なことが
日常の生活の中
真理としてつねにあふれているって
ただそれだけのことなのだろう

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