孤島にて

ギャンブラーは
すべての借金を帳消しにした
そして彼が望んだのは
孤島での暮らしだった

ギャンブルにおぼれ
人生すべてを海に葬ったオレは
もう
どんな奴ともかかわりを持ちたくない
この命にこれ以上足かせを増やしたくもない
そう
今日から孤独な孤島での生活を

金のかからないギャンブル
毎日がスリルの連続
誰にも邪魔されず
自然と闘っていく生活

この命がいつまでもつか
この命が永らえていくのか
それとも目をつぶった瞬間
すべてを失うのか
こんなに熱くなることはない
食料という名の手持ち札
強烈な敵にやられそうになっても
大逆転で勝利を収めれば
この命はまたつながっていくのさ

金なんて薄っぺらいお約束を
汚い誰かと交わす必要もない
ここにはイカサマは通用しない
逃げ出さなければ・・・
逃げ出すなんてもったいない

ルールはあってなきがごとき
ちょっとした知恵は生かせるけど
この罠だっていつまで続くか
そんなことはわかりもしない

開放感の中に
緊張感が常に潜んでる
目先のことだけとらわれると
じわじわとやられちまうが
少し先の予定なんてものも
目先のどんでん返しに
いくらでもやられちまう

夜が訪れるたびにオレは歌う
朝の訪れとともにオレは祈る
わずらわしいことはない
オレ一人
ただやりたいようにやるだけだ

ロビンソンクルーソーよ
オレは最大の敬意をお前に払う
だがオレはここを離れはしない
ギャンブルが終わるまで
オレはかえれやしないのだから・・・