ふさわしい食事

2003年9月22日
町を歩きながら
ずっと考えていた
腹が減って仕方がない
なにか旨いもんでも食いたい

カレー
ラーメン
うどん
スパゲッティ
定食
すし
ありふれたメニューばかり

金を惜しまねば
うまいもんはいくらでもある
一人ぽっちのアパートよりも
上品な場所
賑やかな場所
落ち着いた場所
あたたかい場所
選び放題だ
あとは自分の気持ちしだい

家族の笑い声
恋人たちの語らい
うまいもんには
幸せがお似合いだ

俺にお似合いなのは
そんなもんじゃない
入り口のメニューを眺め
そして店の中を眺め
ため息ばかりついている

俺にお似合いなのは
安くて
たいして旨くもない
そんな出来合いのもんだ
ぼそぼそとしてて
アンバランスな味付け
だから
大して味わうこともなく
かっ食らうことができる

薄ぼんやりとした照明に照らされて
すすりこむ音が響くこの空間
ひんやりとした空気に凍えるように
俺にふさわしい食卓
俺にふさわしいメニュー

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