さようなら

2003年5月9日
心の中に雨が降る
汗をかきながらあなたの体を拭いている
声をしっかりかけようと思うけど
上ずって上ずって
どうしようもないのです

言葉がなくなって
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさいね
何もできなくて
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさいね
何もできなくって

最後には
ごめんなさいしか出なくなる

でも
あなたには届いていない

霊安室から足を外へ運ぶ
あなたの奥様が待っていらっしゃる

深々と頭をさげた
心の中の雨が目まであふれてくる

「ありがとうございました」

しかしわたしの口から出てくる言葉は
「ごめんなさい」しかない

つい一週間前まで
笑いながら話していた人
大好きな人たち
次々と息を引き取っていく・・・
いろんな柔らかい鎖に巻かれたまま・・・

ごめんなさいね
そんな鎖いらなかったかも知れないよね

きっと
これから頑張って
笑いながら息を引き取っていただくように
していくからね

それまでは
ごめんなさいとともに
さようならを・・・

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