Powder Snow

2003年1月28日
ため息をついたその夜
胸につかえていた澱を
・・・ほろりとこぼした

天空を舞う白いウィザード
その結晶を杖でかきまぜ
その大空に振りまいていった
凍える大空に振りまいていった
いたずらっぽく笑いながら
「いまのその気持ちを綺麗にかざったげる」

月の明かりに輝きながら
白い粉雪が
こんこん・・・
こんこん・・・
うずもれていくこの気持ちいっぱいの心
雪に閉ざされていくこの気持ちいっぱいの心

何気ない日常が色あせていく
とりとめもないまま色あせていく
そう
あのパステルカラーに満ちていた思い出の日々
それは今現在から考えれば終わってしまった過去
一人つぶやくの「今は今でしかないのよ」
その言葉の裏側に隠されている無垢な欲望は
いまは触れることの出来ないぬくもりを探している
静かなる絶望の糸に操られて
ゆらめくように漂っている
群れからはぐれてしまった鳥
晴天の空にひとつだけある雲
果てしない自由の空間から見える光景は
無限の孤独と暗闇を照らしているだけだった

愛してる
愛してる
こんな弱い自分だから気づく瞬間
でもプライドが
猜疑心が
弱い自分自身を責め立てて
言葉を奪ってく

愛してて
愛してて
か弱いまでの希望の光
今消えかけている?
そうあきらめが
無力感が
弱いままの自分を放置して
言葉を奪ってく

愛したい
愛したい
こんな今の自分じゃ
あなたを包み込めない
そうならば
きっとあなたも
抱かれるとしても
嘘をついたまま抱かれてしまう
二人ともきっと
心が雪にうずもれてしまう
白いウィザードのいたずら笑いが
残酷な悪魔の表情を浮かべて
千切れていく魂を奪っていく
だからせめてその雪で体中に覆い尽くし
樹氷のようにたたずんでこの冬を過ごし
春の訪れをずっと待っている
春の訪れをきっと待っている
あなたのやわらかい微笑がきっと戻ってくる
それまではただ
今あるがままのこの景色の中
溶け込んでいく
この命かけてやりすごしてみせる

「愛してる
 愛してる」
その言葉がきっと強くしてくれるよ

春はもうすぐだから・・・

白いウィザードはいたずらっぽく笑ってる
その笑いが悪意に満ちたものになるのも
その笑いがただ穏やかなものになるのも
今はまだ決まっていないんだよ
きっと・・・きっと・・・そうだよね・・・

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