SECRET

2002年10月9日
何でもないと軽く告げて
少し陰のある微笑みを見せて
あなたは立ち去っていった
その延びる影の先に
わたしはただ立ちつくしていた

まるで裏切られたようにおびえて
震えた唇をかみしめるしかなかった

わたしはこらえきれない情動を
ただ何かに転化させるしかなくて
ただそんな気持ちに負けるのがイヤで
深く深く息を吸っていた

完全に信用できるモノなんてないから
もし誰かを信用できないと非難するなら
その信頼に甘えようとしている自分を非難するんだ
甘いくちづけの中であなたが
いつかわたしにささやいた言葉
ぞっとするようなクールさのあと
だけれど例外はあるものだよと付け加えた

ひどく自分で自分を傷つけていたあのころ
いま振り返ればあなたの取った態度の意味が分かる
あの光景の中に潜んでいた
よくわからない不思議な鼓動
あなたは
わたしを
強くするために突き放した・・・

あなたはその優しさを
秘密にしていた
冷徹な仮面の裏に
覆い隠していた
あなたはその優しさを
秘密にしていた・・・

***

失敗じゃ。

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