Just like one of the return

2002年7月21日
右側の空を眺めた
夜空の向こうに雲の陰がうつり
その隙間からほんの少しの蒼を見る
左側の空を眺めた
ひび割れた向こう側から生まれ出る
土色の心臓が脈をうつような光景

一つの空であっても
人間のちっぽけな視点をすこし変えるだけで
すべては全く異なって見えることもある

ただ
この瞬間に同じように空を見ていればいいな
ただ
そのときに空を通じて何かを考えていればいいな
ちっぽけな希望が
ちっぽけな心を握りしめる

わたしは案外長い時間を生きてきた
そして彼も案外長い時間を生きてきた
同じ瞬間に存在する命同士として
お互いに作用する魂として
この瞬間にほんのかすかな結びつきはあるが
たどってきた道のりは
はてしなく違ってきたものだ

彼の見てきた空は
青い日が多かったのだろうか

私は少し長い時間を生きてきた
そして彼女は少し短い時間を生きてきた
この瞬間には作用する魂ではないが
その存在を確かめてきた命同士
私も彼女もそのみちのりの景色が
違うものであることに孤独を感じ
お互いに埋めあうために景色の色を重ねた

彼女の今見ている空は
今でも美しき光に溢れているだろうか

懐かしい気持ちだ
あまりにも雨が長く降りすぎた
まず灰色に気持ちがやられ
そして寒さに身体がやられた
いつか
穏やかな日が来ると分かっていても
疲れを知らない人間なんていやしない
そして誰も彼も疲れた
疲れ切って
絶望がすべてを支配し
それでも生きていこうと歩いたとき
幸運にも
青い空はそこに待っていた

ただそれだけのこと

ただそれだけのことだけど
それでも懐かしくて
ほっとして
涙が溢れ

そして
青空に浮かぶ
くっきりとした白い月は
その光で孤独の文字を
心の中のプログラムから消し去った

さあ
「その空の色は何色?」
もう問いかけてもよさそうだね

私は汗を拭うためのタオルを持ち
鞄にぬるめのお茶を入れた水筒を入れると
強い日射しの待つあの道を進んでいこうと思う

私が会いたいと望む人が待つ
あの山と空の先に向けて歩いていくために・・・

When the sky ’comes clear
When the sun gives its heat
I start to take my step
So slowly...
So slowly...

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