くうき

2001年11月23日
一時間も前から
その喫茶店のマスターは
開店準備を始める

ゆっくりと時間をかけて
ほんとうはそんなに
一時間もかからないのに・・・

この喫茶店のなかには
ずっと続いてきた
独特の柔らかい空気がある

喧噪にまみれた
都会のせわしい空気とは
全く違うおだやかさ

そして
その空気は
マスターと
ときに朝から手伝う
店員とが
一日の始まりに

ゆっくり
ゆっくり

暖めていくもの

長い間やってきたお店は
どことなく薄汚れているけど
なんだか絵本の中に出てきそうな
懐かしいにおいのする
木の柔らかみと
ランプの明るさのあるお店

そんな空気を
毎日
一時間かけて
ゆっくり
ゆっくりと
暖めていく・・・

店の扉についた
小さな鈴が
いつもの常連さんの到着を告げると
今日も
ほんの少し苦みの利いた
美味しいコーヒーと
オーブンでしっかりと暖められた
トーストが
いいにおいを奏でながら
運ばれていく

さあ
きょうも
ゆっくりと
一日を駆け抜けていこう・・・

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