古傷〜痛み〜怒り

2001年10月22日
過労気味で寝込んだ昼下がりは
左側の背中あたりがきしみます

永劫の利潤追求にあけくれて
その手先として奔走し
お金をもらった結果が
このいつまでも残る痛みでした

出版業界は
知性の伝達という意味では
文化に多大なる貢献をしていますけど

ある程度の商品力が見込めるのなら
返品されて売却処分覚悟でも
7000冊からの本を印刷します
売り切れることで儲けがなくなるものですから
何百、何千という余りが出ることを
前提として本を印刷していきます

読まれることなく朽ちていく
紙・・・それは大地の育んだ樹木の魂の器だった
インク・・・化学薬品であり多くの石油などを使って作られていく

本の倉庫に眠っている何千・何万という
あふれるばかりの書籍の山
そして自分自身
その本を押し流していくために
むやみに毎月何万という本の注文を受けていた
いえ・・・もぎ取らされていた

話題に上らない返品の数
返品された損益を
さらに受注もぎとり大作戦で上塗りしていく
結局積み上がっていく返品
つまり樹木の犠牲と化学薬品の濫造は
同じように積み上がっていく

「深く考えすぎだよ」
そう
そういうあなたの考えは間違っていない
その考えの前提には
「自分たちが生きている間だけを考えれば
 問題のないことだ」
というのが潜んでいるし
それを指摘しても
「誰もそんなこと言っていないじゃん」
「そんなこと言い出したらキリないじゃん」

年金政策が先送りされて
いざ年金が払われなくなれば真っ先に文句言うくせに
自分自身がしてしまっている問題の先送りは
目をつぶる
いえ
目もくれない

ただ闇雲に
問題の先送りをしている罪悪感に
目をつぶるため
ただひたすら働いた
心も身もすり減らして

そして身体に烙印が残ったから
ドロップアウトした

でも
今は幸せだ

少なくとも問題を先送りせず
今見つめて改善しようとしている
そんな職域に進んでいる実感がある

でも
痛みは消えない
そして
続いていくその先送りに
ふと思いをはせる瞬間がある

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